2026年9月公開

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ファクタリングは取引先にバレる?
通知・債権譲渡登記の仕組み

2社間・3社間の違い、債権譲渡の通知と登記、契約前に確認したい条項

この記事の要点

2社間ファクタリングは、取引先に通知しない形で契約するのが一般的です。ただし、契約で定めた場合の債権譲渡の通知や、法人が行う債権譲渡登記(登記の概要は誰でも証明書を請求できます)によって、利用が伝わる可能性はあります。3社間ファクタリングは取引先の承諾を得るため、利用が伝わります。申し込む前に、契約書の通知・登記の条項を確認しましょう。

2社間と3社間で「取引先への伝わり方」が違う

まずは契約形態を確認する

比較項目2社間ファクタリング3社間ファクタリング
契約の当事者利用者 + ファクタリング会社利用者 + ファクタリング会社 + 取引先
取引先への通知・承諾通知しない形で契約するのが一般的(契約により通知・登記が行われる場合あり)取引先に通知し、承諾を得る
売掛金の支払い取引先は従来どおり利用者に支払い、利用者がファクタリング会社へ送金する取引先がファクタリング会社へ直接支払う
取引先に伝わるか通常の取引では伝わらない形が一般的。ただし下記のケースに注意伝わる

2社間・3社間の違いや手数料の考え方はファクタリングの仕組みでも解説しています。

債権譲渡の「通知」とは

民法467条の対抗要件

取引先に譲渡を主張するには通知か承諾が必要

ファクタリングは売掛金(売掛債権)の譲渡です。法務省の解説によると、民法第467条により、債権の譲受人(ファクタリング会社)が債務者(取引先)に対して自分が債権者であることを主張するには、譲渡人(利用者)から債務者への通知か、債務者の承諾が必要です。さらに、債務者以外の第三者(同じ債権の二重の譲受人や差押債権者など)に主張するには、確定日付のある証書による通知・承諾が必要とされています(法務省「第1 債権譲渡登記制度とは?」)。

2社間では通知をしない形で契約するのが一般的

2社間ファクタリングでは、この通知を行わない形で契約し、取引先は従来どおり利用者に代金を支払うのが一般的です。ただし、どのような場合に通知できるかを契約で定めている会社もあります。たとえば当サイトで確認したTRUSTLYNEの公式サイトでは、通常の取引では売掛先へ通知しない一方、契約に定める場合に限り売掛先へ債権譲渡の通知を行うことがあると記載されています(2026年9月30日確認)。

通知が行われる条件は会社・契約によって異なるため、契約書の該当条項を確認してください。

債権譲渡登記とは

動産・債権譲渡特例法にもとづく制度

法人の債権譲渡について、第三者対抗要件を備える制度

債権譲渡登記は、「動産及び債権の譲渡の対抗要件に関する民法の特例等に関する法律」(動産・債権譲渡特例法)にもとづく制度です。法務省の説明のポイントは次のとおりです(法務省「債権譲渡登記制度の概要」)。

  • 登記をすると、債務者以外の第三者との関係で、民法第467条の確定日付のある証書による通知があったものとみなされ、第三者対抗要件が備わる。
  • 登記できる債権の譲渡人は法人のみに限られる。
  • 登記をしても債務者(取引先)に対しては譲渡を主張できず、登記事項証明書を交付して通知してはじめて主張できる。
  • 登記は債権の存在や譲渡の有効性を証明するものではない。
  • 登記は東京法務局民事行政部債権登録課(債権譲渡登記所)が全国分を扱い、譲渡人の本店所在地を管轄する登記所に登記事項の概要のファイル(債権譲渡登記事項概要ファイル)が備えられる。

登記を求める会社・求めない会社がある

ファクタリング会社が登記を求めるのは、同じ債権が二重に譲渡された場合などに、第三者に対して自社の権利を主張できるようにするためと考えられます。登記を原則必要とする会社もあれば、登記なしと案内している会社もあります(各社の公式サイトの記載)。登記が必要な場合は、その費用を誰が負担するかも見積もりの段階で確認しましょう。

なお、登記できる譲渡人は法人に限られるため、個人事業主が譲渡人となる売掛金の譲渡は、この制度では登記できません。個人事業主の場合に通知などをどう扱うかは会社・契約によって異なります。

登記の情報は誰が確認できるか

3種類の証明書と請求できる人

証明書記載される内容請求できる人請求先
概要記録事項証明書譲渡人として登記されている会社・法人ごとの債権譲渡登記の概要(譲渡された債権を特定する事項や登記原因などを除く)誰でも全国の商業登記所・不動産登記所、法務局証明サービスセンター
登記事項概要証明書登記事項のうち、債務者名など個々の債権を特定する事項を除いたもの誰でも債権譲渡登記所(東京法務局)
登記事項証明書個々の債権に関する登記事項の全部当事者、譲渡された債権の債務者、その他の利害関係人のみ債権譲渡登記所(東京法務局)

出典:法務省「第3 証明書交付請求の手続」(2026年9月30日確認)。概要記録事項証明書に記載される事項は、登記情報提供サービスでインターネットを通じて確認することもできると案内されています。

つまり、取引先の名前など個々の債権を特定する情報は、誰でも取れる証明書には記載されません。一方で、法人が債権譲渡登記をしている事実とその概要は、第三者が証明書を請求すれば確認できる状態になります。

取引先に伝わる可能性があるケース

2社間でも知られないとは言い切れない

  • 3社間ファクタリングで契約した場合:取引先の承諾を得るため、利用が伝わります。
  • 契約で定めた事由に当たり、債権譲渡の通知が行われた場合:どのような場合に通知できるかは会社・契約によって異なるため、契約書の該当条項を確認してください。
  • 法人が債権譲渡登記をしている場合:取引先を含む第三者が概要記録事項証明書などを請求すれば、登記の事実と概要を確認できます。
  • 取引先との契約で債権の譲渡が制限されている場合:取引基本契約や請負契約に譲渡を制限する条項があると、取引先の承諾が必要になるなど扱いが変わることがあります。

契約前に確認したい条項

見積もり・契約書の段階で確認すること

  • 契約形態は2社間か3社間か
  • 債権譲渡の通知はしない形か。通知できる場合はどのような条件か
  • 債権譲渡登記は必要か。必要な場合、費用は誰が負担するか
  • 通知に使う書類(債権譲渡通知書など)を契約時に提出する必要があるか
  • 取引先との契約に、債権の譲渡を制限する条項がないか
  • 償還請求権の有無(取引先が支払えなかったときに買い戻しを求められないか)
  • 運営会社の所在地・連絡先と、手数料以外の費用の有無

契約前に確認したいこと

売掛先が支払えなかったときに買い戻しを求められる契約や、手数料の内訳が示されない取引は、ファクタリングを装った貸付の可能性があります。違法業者の見分け方もあわせて確認してください。

各社の公式サイトの記載(通知・登記)

当サイトの掲載会社のうち、公式サイトで記載を確認できた会社

サービス契約形態通知・登記に関する公式サイトの記載確認日
ペイトナーファクタリング2社間(償還請求権なし)2社間ファクタリングのため、取引先への通知は行わない形で利用できると案内(公式サイトより)2026年9月28日
TRUSTLYNE2社間(償還請求権なしが原則)通常の取引では売掛先へ通知しない。契約に定める場合に限り売掛先へ債権譲渡の通知を行うことがあり、案件によっては債権譲渡登記が必要な場合がある(公式サイトより)2026年9月30日
QuQuMo2社間(償還請求権なし)債権譲渡登記の設定は不要と案内(公式サイトより)。通知の有無など契約条件の詳細は申込時に確認2026年9月28日
Easy factor2社間(償還請求権なし※契約内容により例外あり)売掛先への通知なし・債権譲渡登記なしと記載(公式サイトより)2026年9月29日
のりかえPLUS+公式サイト記載なし・要問い合わせ債権譲渡登記なしと記載(公式サイトより)2026年9月28日
ネクストワン2社間/3社間(償還請求権なし)債権譲渡登記は原則必要と記載(公式サイトより)。対象は法人のみ2026年9月29日

並び順は掲載順位や評価を示すものではありません。ここに挙げていない掲載会社は、当サイトの確認時点のデータに通知・登記の扱いの記載がないもので、通知や登記がある・ないという意味ではありません。条件は変更されることがあるため、最新の内容は各社の公式サイトと契約書で確認してください。

よくある質問

取引先への通知・債権譲渡登記に関するQ&A

Q2社間ファクタリングなら取引先に知られませんか? ▼
2社間ファクタリングは、取引先(売掛先)に通知しない形で契約するのが一般的です。ただし、契約で定めた場合に債権譲渡の通知が行われることがあるほか、法人が債権譲渡登記をした場合は、登記の概要を記載した証明書を誰でも請求できます。知られないとは言い切れないため、契約前に通知と登記の条項を確認しましょう。
Q債権譲渡登記とは何ですか? ▼
法人が行う金銭債権の譲渡について、東京法務局の債権譲渡登記所に登記することで、債務者(取引先)以外の第三者に対する対抗要件を備える制度です(動産・債権譲渡特例法)。法務省の説明では、登記をしても債務者に対しては譲渡を主張できず、登記事項証明書を交付して通知してはじめて主張できるとされています。
Q債権譲渡登記の内容は誰でも見られますか? ▼
法務省の説明では、登記事項概要証明書(債務者名など個々の債権を特定する事項を除いたもの)と概要記録事項証明書(譲渡人の会社ごとの登記の概要)は誰でも請求できます。個々の債権の登記事項をすべて記載した登記事項証明書は、当事者や債務者などの利害関係人に限られます。
Q個人事業主でも債権譲渡登記をしますか? ▼
債権譲渡登記ができる譲渡人は法人に限られています(法務省「債権譲渡登記制度の概要」)。そのため、個人事業主が譲渡人となる売掛金の譲渡は、この制度では登記できません。個人事業主の場合に通知などをどう扱うかは会社や契約によって異なるため、申し込む前に確認してください。
Q通知や登記をしないと案内している会社はありますか? ▼
当サイトで確認した範囲では、公式サイトに「売掛先への通知なし・債権譲渡登記なし」(Easy factor)、「債権譲渡登記の設定は不要」(QuQuMo)などと記載している会社があります。一方で「債権譲渡登記は原則必要」(ネクストワン)とする会社もあります。条件は変わることがあるため、最新の内容は各社の公式サイトと契約書で確認してください。

参考資料

2026年9月30日に確認

各社の記載は、当サイトが各社の公式サイトで確認した内容です(確認日は表に記載)。本ページは一般的な仕組みの解説で、個別の契約についての法的な助言ではありません。契約内容の判断に迷う場合は、弁護士などの専門家にご相談ください。

更新履歴

  • 公開しました(法務省の資料と各社公式サイトの記載を2026年9月28日〜30日に確認)
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ファクタリングナビ編集部
現金化・資金調達に関する安全な情報を提供するため、ファクタリングを中心とした資金調達に関する調査・比較情報を発信しています。金融庁・消費者庁等の公的機関の情報を参照し、正確な情報提供を心がけています。